あっという間にうまくなる
神経ブロック上達術
改訂第3版
[ 臨床麻酔 ]
B 5 判 ・ 236 頁 ・ 定価(本体 6,500 円+税) 2018 年 10 月 発売
ISBN: 978-4-88003-922-0
“持ち運び易く,手早く知識の確認ができ,そして最新の知見をいち早く吸収できる手段でありたい”とのコンセプトに基いた「あっという間にうまくなる神経ブロック上達術」.今回の改訂では傍脊椎で行うブロックや持続ブロックの効果を増強させる手段の紹介などを新たに追加.神経ブロックがなるべく早く上達するよう,最新の知見を織り込みながら,重要な個所は赤字で,ポイントやノウハウは青字で記載するスタイルは前版を継承した改訂第3版.
※本書で紹介しております神経ブロックの動画や補足事項をホームページ(☞あっという間にうまくなる神経ブロック上達術)で公開していますので,ご参照ください.
〔主な内容〕
第1章 手術別:神経ブロックの適応
【1】頭頸部の神経ブロックと術後鎮痛
(1)頸動脈内膜剥離術(CEA)
(2)微小血管減圧術(MVD)
(3)甲状腺手術
(4)鼓室形成術
(5)頸部リンパ節郭清術
(6)耳下腺手術
(7)脳外科手術(脳腫瘍,クリッピングなど)
(8)Awake Craniotomy
【2】整形外科領域の神経ブロックと術後鎮痛
(1)上 肢
A)肩関節手術
B)肘関節手術
C)上腕骨骨折
D)前腕の骨折,手の外科手術
E)鎖骨骨折
(2)下 肢
A)人工膝関節置換術(TKA/UKA)
B)人工股関節全置換術(THA)
C)大腿骨頸部・転子部骨折
D)大腿骨骨幹部骨折
E)膝蓋骨骨折
<コラム> 大腿骨の手術を神経ブロック(±鎮静)
のみで行う場合の対応
F)膝関節(TKA以外)
G)下腿骨折
H)アキレス腱・足趾の手術
I)下肢切断術
【3】胸部手術の神経ブロックと術後鎮痛
(1)乳房切除術(鎮痛範囲 Th1-6)
(2)開胸手術(鎮痛範囲 Th3-8)
【4】腹部手術の神経ブロックと術後鎮痛
(1)肝臓切除術・胆嚢摘出術
(2)肝臓切除術(皮切が正中から左側まで達している場合)
(3)腎臓摘出術
(4)腹腔鏡下胃幽門側切除術,腹腔鏡下右半結腸切除術
(5)腹腔鏡下S状結腸切除術,婦人科腹腔鏡手術
(6)虫垂切除術
(7)右傍正中切開による開腹手術(虫垂切除術など)
(8)鼠径ヘルニア
(9)胃切除術(上腹部正中切開)
(10)泌尿器・婦人科開腹手術・外科手術(下腹部正中切開)
(11)泌尿器・婦人科開腹手術・外科手術(下腹部横切開)
第2章 末梢神経ブロック各論
【1】頭頸部ブロック
(1)浅頸神経叢ブロック(SCPB),深頸神経叢ブロック(DCPB)
(2)大後頭神経ブロック(GONB),眼窩上神経ブロック(SONB),小後頭神経ブロック(LONB)
<コラム2> 実際の手術におけるブロックの施行例
【2】上顎神経ブロック(V2 block)と下顎神経ブロック(V3 block)
(1)上顎神経ブロック
(2)下顎神経ブロック
【3】腕神経叢ブロック(BPB)
(1)斜角筋間アプローチ
<コラム3> 3つ組の簡単な見つけ方
<コラム4> 神経ブロックで行う手術に鎮静は必要か:Bezold-
Jarisch 反射
(2)鎖骨上アプローチ
<コラム5> 肩関節鏡手術の思わぬ落とし穴
(3)鎖骨下アプローチ
(4)腋窩アプローチ
【4】前腕のブロック
【5】胸郭のブロック
(1)肋間神経ブロック(intercostal nerve block)
(2)前鋸筋-肋間筋面ブロック/前鋸筋面ブロック(SIPB/SPB)
(3)胸筋神経ブロックⅠ/Ⅱ(PECS Ⅰ/Ⅱブロック)
(4)胸横筋膜面ブロック(TTPB)/傍胸骨肋間神経ブロック
(SPIPB/PSIB)
【6】傍脊椎で行うブロック
(1)半棘筋間ブロック(ISP block),頸多裂筋面ブロック(MCP block)
<コラム6> 実際の手術における ISP ブロックの施行例
(2)傍脊椎ブロック(PVB)
<コラム7> 硬膜外麻酔が禁忌の患者に対して PVB を行った症例
(3)脊柱起立筋面ブロック(ESP block)/レトロラミナブロック(retrolaminar block)
<コラム8> 実際の手術における持続 ESP ブロックの施行例
(4)TLIP ブロック
【7】腹部のブロック
(1)腹直筋鞘ブロック(RSB)
<コラム9> 実際の手術におけるブロックの施行例
(2)腹横筋膜面ブロック(TAP ブロック)
<コラム10> Rafi’s TAP ブロック(Complete TAP ブロック)/腰方形
筋ブロック(QLB)
(3)腸骨鼠径・腸骨下腹神経ブロック(IIIH ブロック)
<コラム11> 仙骨硬膜外ブロック
【8】下肢のブロック
(1)大腿神経ブロック(FNB)
<コラム12> 大腿神経が見えにくいときの対処法と,ブラインド法に よる大腿神経ブロック
(2)大腿三角ブロック(FTブロック)と内転筋管ブロック(AC ブロック)
(3)外側大腿皮神経ブロック(LFCNB)
<コラム13> 合併症の多い高齢者の大腿骨頸部骨折:神経ブロッ
クによる手術
(4)腸骨筋膜下ブロック(FICB)
(5)閉鎖神経ブロック(ONB)
(6)坐骨神経ブロック(SNB)
<コラム14> TKA/UKA に対する末梢神経ブロック:選択的脛骨神
経ブロック
(7)アンクルブロック
【9】腰神経叢ブロック(LPB)
<コラム15> 股関節手術の術後鎮痛:持続ブロックか IV-PCA か
【10】仙骨神経叢ブロック(SPB)
<コラム16> ブラインド法による仙骨神経叢ブロック:Labat 変法
第3章 神経ブロック総論
【1】抗凝固療法と末梢/中枢神経ブロックの禁忌
(1)中枢神経ブロック,深部末梢神経ブロックの禁忌
(2)抗凝固療法中の患者に対する中枢神経ブロック・深部末梢神経ブロック
【2】ブロック針とエコープローブの操作
(1)平行法と交差法
(2)エコープローブの持ち方と針・神経の描出の練習
Q&A
(3)穿刺前のプレスキャン
(4)ブロック針の先端を確認する方法
【3】薬剤の神経内注入と神経損傷
(1)神経内注入
(2)神経周膜周囲への局所麻酔薬注入はブロックの効果を増す
(3)神経障害の発生と対処
(4)Double Crush Syndrome(Double Lesion Neuropathy)
(5)局所麻酔薬の神経毒性
【4】末梢神経ブロックを行うタイミング
(1)全身麻酔併用で行う場合:神経ブロックを行う3つのタイミング
(2)神経ブロックのみで行う手術
Q&A
【5】神経刺激装置の併用
(1)神経刺激法の極性
(2)神経刺激法の刺激設定
(3)神経刺激法における神経内注入
(4)神経刺激が有効である神経ブロックと誘発される動き
【6】神経ブロックに使用する薬剤
(1)われわれの施設で用いている薬剤(中学生以上)
Q&A
(2)われわれの施設で用いている薬剤(小児)
(3)IV-PCA
Q&A
(4)ステロイドの添加
【7】局所麻酔薬中毒と Lipid RescueTM Resuscitation
(1)局所麻酔中毒の概念
(2)局所麻酔薬の極量
(3)局所麻酔薬中毒の症状
(4)痙攣の対処方法
(5)脂肪製剤の投与方法
(6)ASRA 局所麻酔薬中毒治療のチェックリスト
【8】末梢神経ブロックの実際
(1)われわれの施設で採用しているブロック針
(2)介助者がいる場合の施術
(3)一人で行う場合の施術
Q&A
【9】持続末梢神経ブロックにおけるカテーテル留置
(1)持続末梢神経ブロックに用いるカテーテル
(2)持続ブロックの方法
(3)カテーテルの固定
(4)カテーテル挿入の介助
(5)一人でカテーテルを留置する場合
文献